暮らしの道具 暮らしのごはん焼き締めの器×いきなりだご汁

くまもとの暮らしに寄り添う、工芸品と郷土料理。
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コトコトと上質な時間を紡ぐ豊かな暮らしを提案します。

焼き締めの器泗水窯

小代焼や天草陶磁器などの伝統的工芸品とは全く異なる魅力を放つ“焼き締め”の器があります。焼き締めとは、成型した器の素地釉薬を掛けずに高温で焼成する器を指します。引き締まった黒い肌の上を縦横無尽に走る緻密な線、その線の中で移り変わる色彩のグラデーション。他の窯元にはない独自の意匠を紐解こうと菊池市泗水町に「泗水窯」を構える福吉浩一さんを訪ねました。

福吉さんの作品は、焼き締めの中でも珍しい「炭化焼成」という技法を用いています。窯に薪を入れて密閉し、不完全燃焼させて煙で器をいぶす方法で、いぶすほどに素地が炭素を吸着して黒くなり、硬く焼き締まっていきます。精緻な柄は全て象がん。着色した粘土を埋め込んでいく技法で、1本の線の中に約10色もの粘土を使い、美しいグラデーションを施していきます。工房では、そんな “漆黒と色彩の美”に象徴される作品のほかに、春の到来を思わせるような華やかな作品が生まれようとしていました。

鮮やかな青い花を表した「練り上げ」という技法は、人間国宝・松井康成さんから伝承されたもの。何色もの色の粘土を貼り合わせて、ねじりを入れたパーツを作り、成型して仕上げていきます。「炭化焼成と練り上げの技法を組み合わせたら、どんな表情になるのか」と、伝承した時には心躍らせたという福吉さん。大学時代から携わっている陶芸の道を一切妥協することなく追及してきました。

修業時代、古墳から出土した器の破片に炭が付着しており、古代の窯と年月が醸し出した深い黒に触れたことが、炭化焼成を生むきっかけになりました。「煙を制御するのが難しく、納得のいく色が出るまで10年、データを集め続けてようやく技法を完成することができました」。炭化焼成に象がん、練り上げを組み合わせ、福吉さんの作品は今も進化し続けています。

学生時代には心象風景を表すような前衛陶芸に触れ、修業時代には芸術性の高い美術陶芸の道へ。その後、導かれるように伝統工芸の世界へ。日本伝統工芸展など、数多くの入選・入賞を果たしてきました。「伝統の技法をそのまま受け継ぐのは伝承。伝統工芸は、受け継いだ技法に時代を反映していくものです。そのためにも常に学び、進化し続けていく。一生、修業ですよ」。光と影を映し出す漆黒の再現を目指して、作陶の日々が続きます。

泗水窯

住所
菊池市泗水町吉富2664-5
電話
080-5216-9437
営業時間
(陶芸教室)
火・木曜9:00~12:00、
木曜13:00~18:00
休日
不定

いきなりだご汁

サツマイモは県北エリアで広く栽培されています。熊本の郷土料理・だご汁の“だご”にサツマイモを練り込んだものを使う「おひめさんだご汁」も県北ならではの味。今回は、サツマイモを“だご”で包んで入れる楽しいだご汁をご紹介しましょう。

いきなりだご汁

くまもとふるさと食の名人

牧野 昌子

>>熊本県地産地消サイト

小麦粉に水を適宜入れて、耳たぶより少し硬いくらいにこねたら、1時間ほど生地を寝かせます。

薄く延ばした生地の端をつまんで、中央に寄せるようにしながらサツマイモを包みましょう。

撮影で使用した
泗水窯のお椀を
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焼き締めの風合いを楽しめる器です。深鉢にも適したサイズで、煮物やプチ丼ものにも使えますよ♪

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