TOPページ  > 住みたい > I LOVE くまもと vol.21 大人が楽しめる場として選んだ熊本の路地裏でこだわりの料理と居心地の良い空間を提供したい

I LOVE くまもと vol.20 上天草はいいところがいっぱい!移住者の私たちには分かります

くまもとには、さまざまな思いを抱いて県外から移り住んできた人がいます。
「I LOVE♡くまもと」は、移住者が感じる“くまもと”を、日々の暮らしを通して語ってもらうシリーズ。
今回登場するのは、今年、熊本市中心部にある上乃裏(かみのうら)通りに、小さなフランス料理店をオープンさせた今野修平さんです。


海外での経験を生かせる場として“大人の遊び場”上乃裏通りを選ぶ

ここにお店を開くまでは、出身地の大分を皮切りに日本とフランスなど海外とを行き来しながら働いていました。縁があって日本大使館に勤めたこともあり、ハンガリーの大使館で3年、オランダの大使館で2年働きました。

大使館では、公邸で開催される晩餐会の料理を作っていました。海外の要人をお迎えし、料理をお出しするに当たっては、人種やその国の文化、宗教の違いなどに細かく気を配らなくてはなりません。自分自身も、食の外交を担っている気持ちでした。実に貴重な経験をさせてもらったと思っています。また、海外で過ごした日々は、いろいろな国々に出掛けて、さまざまな食文化や食材に触れた時期でもありました。そのような中で、本当においしいと思える食材とも出合うこともできました。

写真:「ル・コントワ―ル」外観

路地の一角、ツタに埋もれるように建つ小さなれんが色のビルの1階が今野さんのお店「ル・コントワール」

写真:上乃裏通りの町並み

上乃裏通りは上通(かみとおり)アーケードに平行して走る細い路地。新旧入り混じる建物の中に個性的な店舗が数多く点在し、若い世代から中高年層まで多くの人を引きつけるスポットとなっている

写真:「ル・コントワ―ル」店内

落ち着いた色調の店内

日本に帰って来たのは昨年10月。そろそろ、自分でお店を持つ時期なのかな、と考え始めました。そんな時、お店を開く場所として思い浮かんだのが、ここ、上乃裏通りです。私は大分県出身なので、熊本のことをよく知らなかったのですが、熊本出身の妻と一緒にたびたび訪れていたこの通りを気に入っていました。

この界隈は、細い路地が入り組んだ中に、個性的で、こだわりのある飲食店や雑貨店、ファッションの店などが点在しています。例えていうなら“大人の遊び場”。大人だからこそ楽しめる空間のように感じていました。ここでなら、自分が今までやって来たことを生かせるのではないか、いい食材を使ったこだわりのある料理を提供することを望んでくれるお客さまが多いのではないか、と思ったのです。そうして、上乃裏通りにお店を開くことにし、今年5月9日、フレンチレストラン「ル・コントワール」をオープンしました。


熊本の人々と本気で向き合い理想とするお店を創っていきたい

「コントワール」とはフランス語で「カウンター」という意味。その名が示すように、カウンターも含めて20席のこじんまりしたお店です。そうしたのは、料理にもお客さまにも十分目が行き届く範囲にしたかったから。

お出しするのは、ヨーロッパの選りすぐりの食材と、主に熊本の県産品を組み合わせた料理。開店当初から夏にかけては、芦北のサラダ玉ネギをスープなどによく使いました。すごく甘みが出るので、お客さまにも好評でした。お店の看板メニューの一つである「天草スープ・ド・ポワソン」は、天草の魚を14~15種類も使ったスープで、まさに“天草の海の恵みが凝縮された”もの。このスープに使っている魚の中には、小さ過ぎたりして市場では値がつきにくいものも含まれています。メインディッシュになる魚と一緒に業者さんに持って来てもらっているのです。

写真:ガレットプレート

日替わりランチの「ガレットプレート」

写真:サラダ玉ねぎ

芦北・水俣地域の特産品であるサラダ玉ネギは、みずみずしく辛味が少なく、生で食べてもおいしい

写真:ホウボウ

魚は天草直送。この日はホウボウが入荷していた

写真:厨房で料理をする今野さん

店内を見渡せる厨房に立つ今野さん

「おいしい料理を出したい!」という私の気持ちに応えて、熊本の業者さんたちは本当に良い食材を選んでくれます。だから私も、その気遣いに応えたい。市場に出にくい魚でも、私が使うことでいくらかでも価値のあるものとなれば、業者さんにお返しができるのではと思っています。この土地に何のツテもない状態でお店を始めた私ですが、こちらの思いをしっかり伝えればきちんと返してくれる熊本の人々に支えられて、業者さんと、また、お客さまとも、よい出会いを重ねていけていると思います。

お客さまの口コミで少しずつお店のことも広まり、カウンターでの私との会話を楽しみにご来店くださる常連さんもできました。お客さまとゆっくりお話しできる時間は、私にとっても楽しいひとときです。まだまだ始まったばかり。これからは熊本の食材をもっと使って、目で楽しめるような料理もお出ししたいですね。お客さまとのコミュニケーションを大事にしながら、料理がおいしい、居心地の良い理想の空間を創っていきたいと思います。


全く文化が異なる海外では、その国の人たちと「本気で付き合おう!」という強い意志が必要でした。それは日本でも同じこと。移住した場所で自分が真に望む何かを手に入れたければ、そこの文化に飛び込んでいくぞ!という気持ちを忘れずに。本気の思いは相手に必ず伝わります。一番大事なのはハートとハートで向き合うことです。

熊本市ってこんなところ

中心部に日本三名城の一つ「熊本城」がそびえる熊本市。古い歴史と新しい商業施設などが融和した、魅力的な街です。

>>詳しくはこちら

取材協力
Le Comptoir(ル・コントワール)
住/熊本市中央区南坪井町2-6
  黒土ビル1F
営/ランチ 12:00~14:00(LO)
  ディナー 18:30~21:30(LO)
休/火曜、水曜ランチタイム
問/096-277-1146