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I LOVE くまもと vol.19 県外出身で農業は初体験だけど目指すは阿蘇一のトマト農家!

くまもとには、さまざまな思いを抱いて県外から移り住んできた人がいます。
「I LOVE♡くまもと」は、移住者が感じる“くまもと”を、日々の暮らしを通して語ってもらうシリーズ。
今回登場するのは、2011年に大分県から阿蘇市へ移り住み、トマト栽培に取り組んでいる鰐川雄太さん・裕子さんです。


苗も花も見たことなかったトマトトマト農家になるきっかけは一つの出会い

夏秋トマト(夏から秋にかけて収穫されるトマト)で、西日本有数の生産量を誇る阿蘇。ここに、昨年春から農家として歩みだした夫婦、鰐川雄太さん・裕子さんがいます。共に関東出身のお二人は、関東での会社勤めを経て大分県へ、そして2年前の夏、阿蘇市へと移住しました。半年間の農業研修の後、トマト農家としてスタート。今は2,130平方メートルのハウスでトマトを育てています。

作業着姿が板につき、トマトを扱う手つきも慣れた印象の雄太さんは、「阿蘇に来た時は全くの素人。実はトマトの苗も花も見たことがなかったんですよ」とさらり。こちらが「ええっ?」と驚いてしまいます。その隣で終始穏やかな笑みを浮かべ、時折のんびりした声で合いの手を入れる裕子さん。さすが一日のほとんどを一緒に過ごしているお二人、仲の良さが伝わってきます。

鰐川さん夫婦のハウスは比較的平たんな阿蘇のカルデラの中にある。後ろに見えるのはカルデラを囲む外輪山の山並み

トマトのことを何も知らなかった雄太さんたちが、トマト農家へと転身したのは、一つの出会いがきっかけでした。大分では、ある財団が運営する自然学校のスタッフリーダーをしていた雄太さん。農家の人々と触れ合う機会も多く、徐々に農業への関心が高まっていたある日、阿蘇で行われた農業関係のフォーラムにスタッフとして参加しました。その中に、雄太さんの興味を引く意見を述べる人がいたのです。

「新規に農業を始めることを、“夢”や“理想”という言葉で語る人が少なくない中、現実的な農業の厳しさをはっきりと話されていることに共感を覚えました。そこで、閉会後の懇親会で、私の方から声を掛けたのです」。その人は、阿蘇市で新規就農希望者を多く受け入れている斉藤信幸さんの息子さんでした。息子さんと意気投合した雄太さんは、後日、改めて信幸さんを紹介してもらいます。2010年2月のことでした。

トマト収穫の繁忙期である7~8月には一日のほとんどをハウスの中で過ごす

研修を始めるまで見たことがなかったトマトの花。「最盛期にはもっと黄色が鮮やかなんですよ」と、今では詳しい雄太さん


優しい阿蘇に包まれて一人前のトマト農家を目指す

それまで「他県・非農家出身者が農業を始めるのは無理」と聞かされていた雄太さんは、斉藤さんから「言われたとおりのことを真面目にやれば必ず成功する。稼げる農業ができる」と言われ、衝撃を受けたそうです。半年後の夏には阿蘇に住まいを移し、斉藤さんの下で研修を始め、翌年春には斉藤さんに手取り足取り教わりながら、自分のハウスでトマト栽培を開始しました。

そして、なんと1年目にして、地元のトマト部会150名中第2位の反収(1反当たりの収入)を得たのです。これには本人たちより、周りが驚いていたとか。「私たちは斉藤さんから言われたとおりのことをやっただけ」と2人はいたって謙虚ですが、優秀な“生徒”であることは間違いなさそう。「斉藤さんは、就農希望者を単に“就農させる”のではなく、“成功させる”にはどうしたらいいかを考えてくれます。斉藤さんに出会えた私たちは本当に幸せです」と、師匠に全幅の信頼を寄せています。

2年ほど前までは農業に縁がなかったとは思えないほど堂に入った作業ぶり

実を摘んだら、トマト同士で傷つけ合わないようにヘタを切り取る

師匠となる人がいたから阿蘇に移住した2人ですが、今ではすっかりここが気に入っているそうです。「景観の良さや自然の豊かさは前から聞いていたし、水のおいしさは想像以上でした。今まで飲んでいた水はなんだったの!?と思うくらい」と、にこやかに語る裕子さん。「意外だったのは生活インフラが充実していること。学校や病院、行政機関などが整い、熊本市内へのアクセスも良い。田舎のイメージだったのに、うれしい誤算でした」。

「阿蘇は、今まで住んだ中で一番暮らしやすいところかも」と裕子さん。よそから入ってくる人に対して優しく、自然に受け入れてくれる雰囲気を感じるそうです。これからについて2人は、「まずはコツコツと栽培面積を増やすところから。いずれは所得1,000万円を目標に。夢は“阿蘇一のトマト農家”です」と語ってくれました。優しい阿蘇に包まれて、自分たちの力で立派なトマトを作れる一人前の農家を目指し、雄太さん・裕子さんは今日もトマトの世話に励みます。

収穫は6月から11月中旬まで続く。秋に入ると実の育ちが遅くなるので、作業ものんびりムード

農作業の後はほとんど毎日、温泉に入りに行くという鰐川さん夫婦。「疲れのとれ方が全然違います。気軽に温泉に通えるのも、阿蘇のいいところですね」


移住・定住のコツ 「人」

人間関係の良し悪しは、特に田舎では“暮らしやすさ”に直結します。知らない土地に住むことになったら、大家さんでも、子どもの学校の先生でも、まずは誰か一人、頼れる存在を見つけましょう。そこから人の輪が広がっていきますよ。地域の活動にできるだけ参加するのもいいですね。

阿蘇市ってこんなところ


変化に富んだ地形、希少な動植物などが生息する豊かな自然、数多くの湧水や温泉を生かし、観光も農業も盛んです。

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