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I LOVE くまもと vol.17 地球とつながって生きる 天草はそれが自然にできる場所

くまもとには、さまざまな思いを抱いて県外から移り住んできた人がいます。
「I LOVE♡くまもと」は、移住者が感じる“くまもと”を、日々の暮らしを通して語ってもらうシリーズ。
今回登場するのは、2012年に天草市栖本町に移り住んだ、神奈川県出身の斎藤将史さん・希世子さんです。


以前訪れていいなと思った町に旅の末、再びたどり着く

穏やかな海に沿って走る道から少し山側に入った所に、濃い緑に囲まれた小さな家があります。「こんにちは!」という元気な声とともにその中から現れたのは、よく日焼けした男の子と、“自然体”という言葉を身にまとったような雰囲気の若い男女。ここは斎藤将史さん・希世子さんご夫妻と2人のお子さん(訪問時、弟くんはお昼寝中)が住む家。一家は昨年5月、この家で暮らし始めました。

「初めてこの町に来たのは3年前。当時勤めていた工務店の社長の知り合いに天草市で保育園の園長をされている方がいて、園のワークショップに講師として参加したのがきっかけです」と将史さん。希世子さんが続けます。「彼は子どもたちと一緒に絵を描く造形ワークショップ、私はキッズヨーガを担当しました。その時、いい島だなあ、と。海も山もあって、人が温かい。こんな所で子育てできたらすてきだな、と思いました」。ただ、その頃住んでいた町も大好きだった二人。移住を決めたのは、もう少し後のことでした。

希世子さんのおなかに二人目の子が宿っていた時、東日本大震災が起こりました。「震災後、スーパーの陳列棚から物が消えてしまったのを見て、買って消費して捨てるだけの世界が疑問に思えてきたんです。子どもたちと一緒に何かを作るような暮らしをしたい、と思いました」。そして車に荷物を積み込み、移住先を探す旅が始まったのです。

いくつもの土地を巡るうち、再び訪れた天草市栖本町で、偶然知ったNPO法人(※)から一軒の空き家を紹介してもらいましたが・・・「畳は朽ち果て、すごく汚れてて。初めて見に来た日、私は玄関から先に入れませんでした」と希世子さんは笑います。しかし、工務店勤務の経験がある将史さんが自分で修理することにし、移住を決意。すると、知り合いの、そのまた知り合いの・・・という感じで左官屋さんや大工さんなどが次々に手伝いに来てくれて、スムーズに修理することができたそうです。

※NPO法人おらが村エンジョイあまくさ

写真:台所にある古いかまど

台所には古いかまど。「使ってみたけど難しいですね」。暮らし方はいまだ試行錯誤中

写真:手作りのおやつ

将史さんが作った「麻炭入りクッキー」と希世子さんお手製の「イクリの酵素ジュース」。子どものおやつはなるべく手作り

写真:座敷に吊るした蚊帳

テレビも置かず、エアコンも使わない斎藤家。この日は泊まりのお客さまがあったので、座敷に蚊帳を吊るして

写真:ヨーガのレッスン

インド旅行をきっかけにヨーガを始めた希世子さん。マタニティヨーガやキッズヨーガも教えている


循環の中にいる私たち その良き一員になりたいと願う

それから一年と少し経った今、将史さんは地域のさまざまな仕事を請け負い、希世子さんが自宅などでヨーガを教えながら、家族はすっかり地域の暮らしに溶け込んでいます。「海水を炊いて塩を作ったり、ミカン農園や畑の草刈りの手伝いをしたりなど、ここではいろいろな経験ができ、勉強になりますね」と将史さん。ダンスが得意な将史さんは本渡市の保育園から頼まれて子どもたちのダンスの振り付け指導もしました。

「近所の方々は子どもたちをとてもかわいがってくださるし、畑や田んぼをやってみたいと話すと、いろいろと教えてくださいます」と希世子さんはにっこり。地域の人々のアドバイスも受けながら、二人は自然に逆らわない方法で野菜や米づくりに挑戦中です。今年初めには2カ月かけてオーストラリアを家族で旅し、現地で知り合った人の家に住み込んで農場の手伝いなどをしながら、一歩進んだ“自然な暮らし”を体験したりもしました。

「できる限り、正しく“循環”させる暮らしをしたい」と、二人は口をそろえます。「私たちの暮らしは大きな循環の中にあると思います。ものを買うにしても、食べ物や服など、愛情を込めてきちんと作られたものを買いたい。モノの根っこを見つめ、自然や地球とつながった暮らし方をすることで、一人一人の営みは小さくても、良い循環を生み出す一つになりたいんです」。

自然の恵みに溢れた天草は、自然を感じ、地球とつながる生活をするには理想的な場所といえるかもしれません。春には野草を摘んでかき揚げにしたり、ヨモギで足湯を楽しんだり。ご近所からいただいたビワの葉でビワの葉エキスを手作りしたことも。「手作りだと自然のパワーも愛情も入っていると思えるからか、とても心地よいんです。ここは自然の恵みが家の周りに溢れているし、ご近所からもどっさりいただけるのでとてもありがたいです。でも、全て自分で手作り!とこだわっているわけではないですよ。町に行けば既製品が手に入る、便利な社会にも感謝しています。両方のバランスを取りながら、ゆったりとした気持ちで生きていける、天草はそんな場所だと思います」。斎藤さん一家はあくまで“自然体”で、理想とする暮らしに向かって今日も天草で暮らしています。

写真:オーストラリアのオーガニックマーケット 広場に立ち並ぶテント

写真:オーストラリアのオーガニックマーケット 店先に並ぶ野菜や瓶

写真:オーストラリアのオーガニックマーケット たくさんのビン詰めが並ぶ店先

オーストラリアのオーガニックマーケット。自然農法を営む人々も多く集まり、斎藤さん一家はここで知り合った人の家に住み込んで農園を手伝った

写真:斉藤家の畑

斎藤さんの小さな畑は野原と見間違いそうなほど雑草がいっぱい。実は土を柔らかくしてくれる雑草の力を活用した農法を実践中

写真:小さな手の上のトマト

「トマトが採れたよ」。小さな手に載せて見せてくれたお兄ちゃん。収穫は少なくても、口に入れるものは納得いくものにしたい

写真:自然の中を散歩する斉藤さん家族

時にはあてもなく近所をお散歩。家族で過ごすゆったりした時間を多く持てるのも、ここの暮らしの良いところ


買い物するだけでなく、マルシェ(市場)は情報収集にもお薦め!マルシェで得た情報や人のつながりは、移住者にとってとても役に立ちます。移住前・後にかかわらず、いろんなマルシェに顔を出してみてください。

天草市ってこんなところ


美しい海に囲まれ、観光や漁業はもちろん農業も盛んな天草市。天草市栖本町にはカッパ伝説が数多く残り、町には多くのカッパ像が立てられています。

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