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風と共に漁をする芦北の「うたせ船」

県内各地の特産品とそれを販売する物産館、そしてくまもとならではの“モノづくり”など
くまもとから発信するさまざまな“つくる”を伝える「メイドinくまもと」。
今回は、不知火海(しらぬひかい)で風の力を利用し漁を行う「うたせ船」をご紹介します。

メイドinくまもと その1

日本の海では数少なくなった自然のままの伝統漁法

九州本土と天草の島々に囲まれた不知火海(八代海)では、白い帆に風をはらませて静かにたゆたう船を目にすることができます。明るい日差しの下、青い海に浮かぶその優雅な姿から、“白いドレスをまとった海の貴婦人”との異名を持つ「うたせ船」です。
「うたせ船」の起源は約400年前にさかのぼり、瀬戸内海が発祥の地といわれています。ここ芦北へは明治初期、芸州(広島)の漁師が伝えたといわれています。風の力だけで漁をする伝統的な底引き漁法は、かつては全国で行われていましたが、そのほとんどが姿を消してしまいました。しかし芦北では今も15隻ほどが漁を続けています。

写真:計石漁港

「うたせ船」の母港・計石(はかりいし)港。
たくさんの「うたせ船」が出航を待つ

「うたせ船」の漁ではエンジンを使いません。空に向かって伸びる高い柱と、船の前後に突き出た柱に帆を張り、帆が受ける風の力によって海中に投げ入れた網を引きます。漁師は風の強さや向きを読んで帆を上げたりたたんだり、向きを変えたりして、巧みに船を操ります。その様子はまるで風と会話しているよう。熟練した者だけができる、自然と一体となった漁なのです。

写真:合採網を使って漁を行う 写真:網を引く漁師さん

投げ入れる網は合採網(がっさいあみ)といって幕末から明治にかけて普及したもの。巻き上げは今でこそモーターを使うが、40年ほど前までは数人がかりで行う重労働だった

メイドinくまもと その2

豊かな海の恵みと緩やかに流れる時間

「うたせ船」で捕れるものの代表といえばエビ。夏場は小さいながら味が濃厚な「イシエビ」が、冬には大ぶりで身がプリっとした「アシアカエビ」が捕れます。他にもカレイやヒラメ、イカ、カニなども網にかかり、また、船上から糸を垂らしてタチウオを釣り上げることもできます。不知火海は豊富な漁場として知られるところ。さまざまな海の幸が「うたせ船」の漁を支えています。

写真:イシエビ

「イシエビ」はエビ本来の味がギュッと詰まっており、良いだしがとれる。塩ゆでや素揚げにしてもおいしい!

写真:アシアカエビ

体調20センチほどの「アシアカエビ」は、クルマエビに匹敵するほどのおいしさ。旬は11月~3月ごろ

「うたせ船」の優雅な姿と、自然のままに行う漁の魅力を多くの方々に知ってほしいと、昭和56年(1981)から「観光うたせ船」がスタートしました。現在、「うたせ船」15隻にレディース船1隻を加えた計16隻が、交代で観光客を乗せて出航しています。船上では底引き網漁を見学できるほか、タチウオ釣りに挑戦したり、漁師さん手作りの海鮮料理を味わったり・・・。楽しみ方いろいろの「観光うたせ船」ですが、最大の魅力は大海原に包まれて過ぎていく“ゆったりとした時間”なのかもしれません。

写真:レディース船

エアコン・洗面台・水洗トイレを完備した「レディース船」も人気!

写真:うたせ船観光休憩所

「観光うたせ船」の受け付け窓口となる「うたせ船観光休憩所」。すぐ隣には「計石温泉センター」があるので、船から降りたら湯を楽しむのもお薦め

レポート 体験!観光うたせ船 5月のよく晴れた穏やかな日うたせ船に乗りました!

1.今日乗る船はコレ!漁師さん夫婦が二人で操ります。

2. 10:00 いざ出航!

3.漁場に着いたら早速帆を上げ、網を投げ入れて・・・のはずが、この日はいわゆる“ベタなぎ”。全く船が動かないため、網を入れることができず・・・残念!

4.全然ふくらまない帆

くまモン:風よ吹け~!

5.気を取り直して不知火海の名産品「タチウオ」釣りに挑戦!テグスの先にエサのキビナゴを付け、海中に糸を垂らして気長に待っていると・・・

6.お見事!“太刀”のようにキラキラ輝く立派なタチウオが釣れました!

7. 11:00~ さあ、お楽しみのランチタイム!

くまモン:捕れた魚はお土産に持って帰るモン

8.アジやキビナゴ、コノシロなどのお刺身に、塩ゆでのイシエビ、カレイの空揚げなど、新鮮な船上料理が所狭しと並びます。

9. 12:30~ 昼食の後は思い思いにのんびり。やがて船は港へ・・・

東京の会社にお勤めのお姉さんとその同僚が、熊本在住の妹さんの案内で乗船。 実際に「うたせ船に乗ってみて:「海の上はとっても静かで、眠くなりそうなほど。でもそんな時間が一番のぜいたくなんだな~と思いました」

船頭さんにインタビュー

親盛丸船長
小﨑盛行さん

写真:小崎さん

「うたせ船」に乗って40年になります。以前は漁場への行き帰りにも帆を使っていました。今は移動や網の巻き上げにモーターを使うようになり労力は減りましたが、風の力だけで魚を捕る漁法は昔から変わりません。
漁獲量の減少や後継者不足など大変な面もありますが、伝統漁法だし、なんといってもほかの海にはほとんど残っていないので、大切にしていきたいと思っています。お客さんには、自然の中でゆったりとした時間を過ごして帰ってもらいたいですね。

うたせ船

乗船料/42,000円(一隻当たり)
定員/12名まで
所要時間/約3時間
※一隻当たり10,500円または21,000円の船上料理が注文できます。料理の内容は季節や船によって異なります
※春と秋にはお得な乗合キャンペーンが実施されることもあります。詳しくはお問い合わせください

お問い合わせ

芦北観光うたせ船組合(4月~11月)
問/0966-82-3936
芦北漁業協同組合(12月~3月)
問/0966-82-2066
芦北町観光協会(芦北町商工観光課内)
問/0966-82-2511

写真:くまモンフォトアート

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写真:うたせ船