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江戸時代からの伝統と受け継ぐ「来民うちわ」

100年使い続けられる「来民うちわ」

慶長5年(1600)、丸亀(現香川県丸亀市)の托鉢(たくはつ)僧が一宿のお礼にうちわの作り方を伝授したことから始まったという「来民うちわ」。もともと来民は和紙の原料「こうぞ」の生産が盛んだったこともあり、江戸時代には肥後細川藩初代藩主・細川忠利公が生産を奨励し、来民でのうちわ作りが栄えました。現在も数人の職人たちが伝統の技を今に受け継いでいます。
「来民うちわ」は柿渋を塗って仕上げる“渋うちわ"。青い未熟の豆柿から採取した柿渋を塗ると、防虫に役立つ上にうちわを丈夫にし、使えば使うほど風合いも増します。大事に使えば100年は使えるという「来民うちわ」は、一度手にすると人生を共にできる逸品なのです。

来民うちわ

  • 骨の製作
  • 貼る行程
  • 貼る行程
  • 型切り
  • 型切り
  • 型切り
  • 柿渋を塗る
  • 完成

「栗川商店」四代目・栗川 亮一さん

「来民うちわ」は、軽くて丈夫で、風を起こしやすい!それは、素材の良さにあります。
“渋うちわ”に欠かせない柿渋には防腐剤の役割があり、うちわに塗ることによって耐久性を高めることができます。そもそも、柿渋を塗る習慣は、竹や和紙などの資源が少なかった時代、物を大切に使おうとする先人の知恵から生まれたもの。当時の知恵は今でも息づいています。
柿渋に用いる柿は、8月初旬に収穫する熟す前の青い豆柿。それらをつぶして半日水に浸し、発酵させると柿渋になります。通常、3~5年熟成させた柿渋を使いますが、うちでは5~20年寝かせてさらに熟成させるので、防腐効果が高く、より丈夫に仕上がるんです。
また、竹は、地元に生育する3年ものの真竹を使用しています。日当たりが良く、寒暖差の大きい場所で育つ竹は、伸びが良くてしなやか。しなやかだから、あおぐ時に、あまり力を入れなくても風を起こせるんです。さらに、和紙は、厚みのある丈夫な手すきのものを使用しています。
質の良い素材を使い、熟練した職人の手で一つ一つ丁寧に作るからこそ、100年使うことのできる丈夫なうちわができるというわけです。

私が「栗川商店」を継いだ約30年前は、うちわが一番売れていなかった時期で、職人も1人か2人でした。江戸時代から受け継いできた伝統を守るために、約20年間、文房具屋を営みながら、注文された分のうちわだけ細々と作っていたんですよ。使ってくださる方々の「質が良くて、美しい」、「あまりに懐かしくて感激しました」といった声が私の心を支えてくれましたね。今でも、「半世紀使っているうちわの修理をして欲しい」とお願いに来られるお客さまもいらっしゃいますよ。一つ一つ丹精を込めて作ったものが、お客さまの人生の一部になっているのを目の当たりにすると、もっと良いものを、もっとお客さまに喜んでもらえるものを作ろうという力が湧き上がってきます。最近では、実用品としてだけではなく、「丈夫で長生きしますように」との意味を込めた赤ちゃん誕生の“命名うちわ”なども人気があります。
現代に忘れられている「物を大切にする心」や、使い続けることで生まれる愛着心など「来民うちわ」を通して感じてもらえると、作り手としても幸せです。

リンク

バラエティに富んだうちわは還暦祝、結婚祝などの贈り物や記念品に最適です。

>> 山鹿温泉観光協会(来民うちわ紹介ページ)

涼しいゆかたと来民うちわ展

熊本県伝統工芸館 企画展
「涼しいゆかたと来民うちわ展」

会期:平成24年6月8日(金)~7月1日(日)
会場:熊本県伝統工芸館(熊本市中央区千葉城町3-35)
入場料:一般200円(140円)、大学生130円(100円)、高校生以下無料
※かっこ内は20名以上の団体料金

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